学校法人三室戸学園東邦音楽大学グランツザール学校施設 School
竣工 | 2004 |
所在地 | 埼玉県川越市 |
延床面積 | 2075.27㎡ |
構造・規模 | 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 地上2階建 |
コンサートホール全体の形態の特徴は、ホールとして内部からくる機能を素直にボリュームとして表現し、シンプルなデザインを心掛けたことである。外壁には彫りの深いせっき質の割り肌タイル、2種類のリブを使い分けたマット調のアルミスパンドレルとガラスを使用し、その3つの素材の質感を生かすべく、プロポーションに配慮したデザインを目指した。
ホワイエは西日による夏季の熱負荷の軽減と、太陽のホール内部への入り込み防止機能を持つ壁面とガラスで構成されている。ホワイエの床は外部の水盤、芝生へとつながり、内外一体空間として心地よい空間を生み出している。
ホールの計画上の特徴は、音響の上では客席からステージまでの連続したフィンとその上部に設けられた壁面分割してつくられた水平面が、天井以外の部分で早い反射音を生むようにしていることである。また式典の際、声の明瞭性を確保するため、正面・両サイド、そして2階客席の両サイドに音幕を設置している。形式としては音楽大学のさまざまな音楽教育に対応できるように上下可変可能なステージを設けた。収容620人程の小ホールにもかかわらず、適度なスケール感で聞きやすく、音響特性も優れているホールとして、学園のコンサートのみならず地域に根差したホールとして利用されることを、期待している。