Casona ALEX店舗+事務所+個人住宅 shop+office+ House
竣工 | 2021 |
所在地 | 京都府京都市中京区 |
延床面積 | 446.96㎡ |
構造・規模 | 鉄骨造 地上5階建 |
京都市には厳しい景観規制がある。道路に面する1、2階の外壁には庇を設ける。3階以上はセットバックする。今回の様に2面道路の場合は2面共セットバックする。このように、京都の街なみへ一律に行われている景観規制に対し疑問を抱き、なんとか真っ直ぐな外壁を立ち上げることはできないのか、何度も市と協議を重ねた。そんな中、京都市優良デザイン促進制度という、市長が委託した専門家「景観アドバイザー」からアドバイスを受ける制度を市から紹介された。京都大学名誉教授の門内輝行先生と、京都工芸繊維大学教授の長坂大先生のおふたりに何度か模型やパースを用いてデザイン説明を行い、その都度得られたアドバイスを活かし、デザインによって、景観規制を弾力的に扱う手法を取った。
建物長手の麩屋町通りに対して、通常よりも大きくセットバックし、店舗も道路へ開き、沿道への貢献を果たすことで、5階まで真っ直ぐな壁面を実現した。5階をペントハウス的なデザインとすることで、4階の軒先ラインとしてボリュームを抑えた。結果的に勾配屋根の住空間が出来た。3階より上部はなるべくガラス面を抑える意図から、木製のパネルをランダムに配置した。高熱処理した木材で水分率を低くし、ゆがみやひび割れを抑えた木材ながら、自然素材の風合いがある。1階にはスイーツ、カフェ、バー等を展開するテナントが決まり、当初の景観協議で目指していた街への賑わいを貢献できる良い店舗、建物として、末永くこの街へ根付いて欲しい。